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2022年01月06日

ヘアケア

IGF-1増加治療で、新型コロナ後遺症の脱毛も体調不良も改善

新型コロナウイルス感染症は後遺症も難治

我が国における新型コロナウイルス感染症は、諸外国に比べて、オミクロン株の感染がどうなるかはまだ不透明です。しかしながら現状では、日本人の免疫特性から既に集団免疫が出来上がっているように、患者数が激減しています。

このような現状で今後問題になるのは、これまでのピーク時の感染者を襲う後遺症です。この後遺症は、感染症専門医のまとめによると、以下に示すように非常に多彩です。

呼吸器症状:咳、痰、息苦しさ、胸の痛み。全身症状:倦怠感、関節痛、筋肉痛、しびれ。精神・神経症状:記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛、抑うつ。消化器症状:下痢、腹痛。その他:脱毛、動悸、味覚・嗅覚障害。

現代の医学では、これらの後遺症の治療には対症療法しかないので、危険な痛み止め(アセトアミノフェン以外)や、あまり効果のないビタミン剤、そして本来効かない抗うつ剤などが投与されるでしょう。

このような治療では、表面的な症状は少し軽くなるかもしれませんが、十分な改善は脱毛も含めて期待できません。

 

インスリン様成長因子-1IGF-1)を増やす治療で、コロナ感染後遺症の脱毛が改善

私のクリニックでも、新型コロナウイルス感染後に始まった脱毛の治療のために、患者さんからの問い合わせや受診が増えてきました。20代の男性は、感染が消褪して3ヶ月後から大量の脱毛が始まり、写真1・左に示すように、び慢性に脱毛した状態でした。

このような脱毛は、感染というストレスから数ヶ月後に起こることを考えても、成長期にあった髪の毛の成長期が感染を機に短縮して、休止期へ移行したために起こる脱毛(休止期脱毛)と考えられます。

▼写真1・左:20代男性/休止期脱毛症。治療前(新型コロナ感染3ヵ月後)。右:20代女性/休止期脱毛症。上から治療前、治療1年7ヵ月後。

写真1の右側の写真は、強いストレスによって起こった休止期脱毛の女性の頭部です。休止期脱毛は、このように境界不鮮明なび慢性の脱毛をきたしますが、IGF-1を増やす治療でのみ、この女性のように比較的短期間で治癒します。

コロナ感染後の前述の男性の場合も、カプサイシンとイソフラボンに加えて、セファランチンという生薬でIGF-1を増やす治療を開始しました。

1ヶ月が過ぎても本人から連絡がなかったので、当クリニックで治療経験のあるお姉さんに連絡を取り、弟さんの状態を聞くと、治療を始めてからすぐに抜け毛が減って、産毛も生えてきて治ったということでした。結局、治療1ヶ月で改善したことになります。

 

IGF-1を増やす治療で、新型コロナ感染後の脱毛も体調不良も改善

30代の女性は勤務する美容外科で、患者さんから新型コロナに感染しました。39℃以上の高熱が出て、呼吸不全には至らなかったものの、気管支喘息様の症状が出ました。感染が治っても、倦怠感や筋肉痛、そして気管支喘息のような症状は残っていました。

そして感染から2ヶ月後に、大量の脱毛が始まったそうです。私のクリニックをネット検索で知り、治療のために来院されました。

勤務先の美容外科から、ミノキシジルという、私からするとムダ毛は増えても頭髪は増えない、しかもめまいやふらつきなどの副作用の多い薬を処方されていました。しかし全く効果はなかったそうです。

それからカプサイシン、イソフラボン、そしてセファランチンでIGF-1を増やす治療を行いました。1ヶ月後の来院時にはやはり抜け毛が減り、治療前と比較すると見た目で確認できるほど、髪の毛のツヤが良く、太くもなっていました(写真2)。

▼写真2:30代女性/休止期脱毛(コロナ感染後)。左から治療前、治療1ヵ月後。

そして、この女性は東京から来院していたのですが、新幹線で東京から名古屋まで来る時の疲労感が、1ヶ月前(治療前)とは全然違うと話しており、気管支喘息治療のための吸入剤も不要になったとのことでした。

このようにIGF-1を増やす治療で、新型コロナ感染の後遺症である脱毛と、それ以外の体の不調も改善することがわかりました。

 

新型コロナ感染と後遺症の発現には、IGF-1の低下が関与している

これまでにお伝えしたように、IGF-1は髪の毛の成長期を延長して、退行期や休止期を短縮させます。新型コロナ感染後の脱毛の原因である休止期脱毛では、成長期が短縮して休止期が延長するので、ウイルス感染により毛根のIGF-1が減少していることになります。

したがってIGF-1を増やす治療で、成長期が延長し、休止期が短縮することで、抜け毛が減って産毛が生えてくるのです。

また、頭皮のみならず、全身のIGF-1がウイルス感染に伴う炎症で減ってしまうために、後遺症として多彩な症状が出てきます。しかし頭皮だけを処置するのではなく、サプリメントとセファランチンを内服するので、全身のIGF-1が増えて脱毛以外の体の不調も改善するのです。

 

カプサイシンやイソフラボン等の知覚神経刺激は、自律神経バランスを良くし脱毛症や体調をも改善

新型コロナ感染後の後遺症は、簡単に言うと、ウイルス感染を契機に起こった自律神経失調症です。更年期障害や生理前に一過性に起こる体調不良、産後うつ病なども、女性ホルモン低下によるIGF-1低下が引き起こす自律神経失調症です。

現代の医療では、自律神経失調症を根本的に治せる治療法はありません。しかし、カプサイシンやイソフラボン、またβーグルカンによる知覚神経刺激は結局、痛み刺激に伴う適度な交感神経刺激と、強い副交感神経刺激となり、交感神経優位で起こっている自律神経失調症を改善するのです。

もちろん、この方法による知覚神経刺激の結果、全身で育毛効果と抗炎症効果を持ったIGF-1が増えるために、色々な症状が改善するのです。

岡嶋 研二

育毛ドクター

名古屋Kクリニック院長。 IGF-1育毛理論の第一人者。

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