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2017年07月13日

エイジングケア

最初の90分が、睡眠の質の鍵

TSURU170211-034_TP_V貴女は今の睡眠状態に満足していますか?人生の約3分の1は睡眠です。その3分の1が「眠れない」「しっかり休めた気がしない」など不満足なのであれば、残りの3分の2においては、しっかりとしたパフォーマンスも発揮できないことでしょう。

今回はその睡眠について、世界最高の睡眠研究機関と呼ばれる米国・スタンフォード大学睡眠研究所の「最高の睡眠」を得るためのお話です。

 

最高の睡眠を得るには、量より質

「最高の睡眠」とは、具体的にはどのような眠りを指すのでしょうか?短時間睡眠が、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結するという調査がある一方、睡眠時間が長すぎるとかえって体に悪いというエビデンスもあります。

「最高の睡眠」の答えは、量ではなく、「脳・体・精神」を最高のコンディションに整える「究極的に質が高まった睡眠」です。

 

眠りの質を握るのは、最初の90

人は眠りに落ちてから目覚めるまで、ずっと同じように眠っているわけではありません。「眠りにはレム睡眠(脳は起きているが体は眠っている状態)とノンレム睡眠(脳も体も眠っている状態)の2種類があり、それを繰り返しながら眠っています。

1707SN MMコラム図

上図のように、寝ついた後すぐに訪れるのがノンレム睡眠です。とりわけ最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでも最も眠りが深くなります。その後レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返され、明け方になるとレム睡眠の出現時間が長くなっていきます。

質の高い睡眠を得るには、この「最初の90分」をしっかり深く眠ることが大切です。この90分さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になるとも言えます。最初の90分を阻害すると、その後の睡眠は、スタンフォードの実験でも計測不能となるほど乱れてしまうと言います。

「私は寝る時間が5時間しかない」という人は、最初の90分の質を高めましょう。そうすれば、短くてもその5時間の質を最大限に高めることができます。

寝る前に、交感神経を刺激するテレビを見ることや、スマートフォンを操作することなどは寝つきを悪くし、「黄金の90分」の大きな妨げとなります。最初の90分を大切にし、良質の睡眠を得るようにしましょう。

参考文献:『スタンフォード式 最高の睡眠』 サンマーク出版 西野精治 著

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR(栄養情報担当者)/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。70歳になるが、自称年齢は52歳。年間に4回ほどフルマラソンへ出場し、4時間以内に完走することもある。登山では世界7大陸の最高峰を制覇することを目標とし、既に4つ登頂成功。2017年はデナリ(マッキンリー)に挑戦する予定。トキメクような目標をモチベーションに、アンチエイジングを体現している。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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