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2020年04月02日

ヘアケア

女性の薄毛治療の現実(症例編)

女性型脱毛症の患者さんの特徴

育毛物質であるインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす治療で、女性型脱毛症の多くは改善します。しかしそれらの患者さんの中には、薄毛が改善した写真を見せても、納得しない方が多いので、驚きます。

患者さんたちには、薄毛を改善する努力が無駄になってきている長年の経験があるため、治るわけはないと、治療不信になっているのだと思います。以下に、そのような患者さんたちの実例をご紹介します。

 

症例1;60代女性Wさん(女性型脱毛症)

この方は、20年前から薄毛が気になっていたそうです。ちょうど更年期くらいから薄毛になってきたのでしょう。街中の育毛サロンに通っていましたが、多くの育毛サロンで改善するのは、男性型脱毛症ですので、女性の薄毛はなかなか良くはなりません。

市販の薬で常用しているものはないため、薬による薄毛の悪化はないようです。カプサイシンやイソフラボンなどのサプリメントで、IGF-1を増やす治療を行うと、髪の毛が太くなり、両側頭部の地肌の露出が減ってきて、改善してきました。

写真を見ながら改善を確認しても、髪の毛を分ける場所が毎回違うから良くなって見えるだけだ、と主張されます。

治療6カ月目で、明らかに改善が見られたので、ご自身の指定する分け目で髪の毛を分け、治療前の写真と比べると(写真1)、さすがに納得されたようです。当クリニックの他の治療(高気圧カプセルなど)も試そうかしらと、それまでとは違い、一転してIGF-1を増やす治療を信頼してきてくださいました。

▼写真1:左から治療前、治療6ヶ月後。

 

症例2;40代女性Kさん(女性型脱毛症)

この方は、来院する半年前から薄毛が気になり始めたそうです。まさに更年期に突入してからの時期で、やはり女性ホルモンの分泌が落ちてから薄毛が始まったようです。この方も育毛サロンの体験コースに行ったそうですが、そこで当クリニックを知って来院されました。

この方は、月に1回、鎮痛剤であるイ○○を飲んでいました。これも薄毛の悪化要因です。

IGF-1を増やす治療を開始すると、治療1ヵ月後から髪の毛が太くなり、また、両頬のたるみも改善しました。IGF-1は、肌の状態も良くします。

また、生理痛が軽くなったとも話されていました。IGF-1は、性腺刺激ホルモンの分泌リズムも正常化する作用があるので、IGF-1を増やすサプリメントで、生理痛も改善することがあります。これでイ○○も飲まずに済むと、さらに薄毛の改善へつながります。

治療3ヵ月後の頭部の写真を見て、効果が確認できるのですが(写真2)、この方は、抜け毛が減らない、と治療効果を認めません。抜け毛の数は、正確に測れることはなく、なんとなく増えた、減ったとしか評価できません。いつも不満そうに受診されますが、続けて来院されます。

▼写真2:左から治療前、治療3ヶ月後。

頭皮の状態が良くなると、髪の毛は太くなり、ツヤが出てきています。このように頭皮の状態が良くなってきて、抜け毛が増えるわけはありません。

 

症例3;40代女性Hさん(女性型脱毛症)

この方は、6年前から薄毛が気になり始めたそうです。やはり更年期に突入した頃からです。男性型脱毛症を治すクリニックに通い始めて、副作用の多い、ミノキシジルなどを処方されました。また花粉症があり、毎年5、6月に、脱毛する薬であるア○○○を飲んでいました。

すると、7月には抜け毛が増え、8月には眉毛や体毛も抜けてきたそうです。はっきりとした円形脱毛症はありませんでしたが、これらの薬で体毛まで抜けたのでしょう。IGF-1を増やす治療の開始10日後くらいで、体毛が生えてきたそうです。

また、治療1ヵ月の写真で、髪の毛が太くなり、ボリューム感が増して、さらにシミも薄くなり、たるみも改善し、眠りも深くなったのですが、効果をまだ信じません。ミノキシジル服用による、顔の異常に増えたムダ毛も、なぜか減り正常な産毛になっていました。

この方は関東地方から来院されていましたが、治療2ヵ月後には、なぜかご主人をも連れてきました。

この時の写真では、明らかに毛が太くなり、また眉毛も生えてきていることが確認されました(写真3)。さらに睫毛も生えてきていました。ご主人は、眉毛が生えてきていることには気づいていたそうです。やっと安心されて、嬉しそうでした。

▼写真3:左から治療前、治療2ヵ月後。

次の症例もそうですが、なかなか効果を信じられない女性は、ご主人を連れてくることが多いのです。本当に効果があるか判別するため、鑑定人として連れてこられるのでしょうか。

 

症例4;50代女性Yさん(女性型脱毛症)

この方は、2年ほど前から薄毛が気になっていました。1年前からは、額の生え際が薄くなったことを気にしていました。治療1ヵ月目から、額の生え際の産毛が太くなり、治療効果が表れてきましたが、やはり写真を見ても、効果がないと言い張りました。

そして、治療2ヵ月半後には、ご主人も一緒に来院されました。この時の写真では、生え際の産毛は明らかに太くなり、増えていました(写真4)。

▼写真4:左から治療前、治療2.5ヵ月後。

この写真を見ても、どこに効果があるのかの一点張りでしたので、正常なコミュニケーションが取れず、治療に対する信頼感が得られないと判断し、治療効果の期待できると思われる医療機関への転院を勧めました。

IGF-1を増やす治療では、薄毛の改善以外にも多くの健康効果が得られます。抜け毛の数よりも、髪の毛のコシ、色、ツヤなどで、また体調も加味して、効果を判断したほうが良いでしょう。

岡嶋 研二

育毛ドクター

名古屋Kクリニック院長。 IGF-1育毛理論の第一人者。

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