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2017年10月05日

ヘアケア

女性の薄毛の原因と治療方法

電車の中で、座っている女性の頭頂部が薄くなっているのをよく見かけます。このような、女性特有の薄毛や髪の毛の変化は、なぜ起こるのでしょうか?

 

女性ホルモンと薄毛の関係

ご存知のように、女性の薄毛は女性ホルモンの作用が低下した結果、起こってきます。では、女性ホルモンを投与すれば簡単に治るのでしょうか?

答えは、NOです。これまでに、女性ホルモンが、女性の脱毛症に効いたという報告はありませんし、女性ホルモン製剤の副作用の中に、逆に、脱毛症という記載があるくらいです。

この事実は、女性ホルモンが体内で規則正しく分泌されることが、育毛や健康の維持に重要であることを示唆しています。それでは、どのようにすれば女性ホルモンの分泌が減った状態で、女性の薄毛を改善することができるのでしょうか?

 

女性ホルモンの分泌低下によるIGF-1の低下が、薄毛の原因

女性ホルモン(エストロゲン)は、IGF-1を増やします。女性ホルモンは知覚神経に作用して神経成長因子という物質を作らせ、放出させます。その神経成長因子が知覚神経を刺激し、IGF-1を増やします。これが頭皮でも起こるので、女性ホルモンはIGF-1を増やして女性の髪の毛の量と質を良い状態に保つのです。

つまり、加齢や生活習慣の変化で女性ホルモンの分泌が低下すると、IGF-1が低下して薄毛になります。また、女性ホルモンのIGF-1産生促進は、育毛以外にも女性の美容と健康維持にも重要です。

 

男性ホルモン(DHT)もIGF-1を低下させ、薄毛を引き起こす

このことに加えて、女性の体内で少量造られている男性ホルモンの作用によっても、薄毛が促進されます。

女性ホルモンは男性ホルモンの作用を抑える作用があり、女性ホルモンの分泌が減ってくると、少量作られている男性ホルモンの作用が強くなります。男性ホルモンの中でも、テストステロンから作られるジヒドロテストステロン(DHT)という物質が、IGF-1を減らして、脱毛をひき起こします。

DHTは、別名脱毛ホルモンと呼ばれ、男性型脱毛症(AGA)の原因となります。男性型脱毛症の治療薬として有名なプロペシアは、DHTができるのを抑える薬です。

そこで、DHTの生成を抑えるプロペシアを投与すると女性の薄毛も改善する可能性が考えられます。ところが、プロペシアでは女性の薄毛は改善しませんでした。これは、女性の薄毛にはDHTがあまり大きな役割を果たしていないことを意味しています。

従って、女性の薄毛の原因は、女性ホルモンの産生低下に加えて、それに引き続く、DHTの作用増強という二重の原因による「IGF-1の減少」ということになります。

 

女性の薄毛の呼称は、女性男性型脱毛症から女性型脱毛症へ

以前は、女性の薄毛の発現部位が、男性型脱毛症と同じく頭頂部であることやDHTが薄毛に関与していると考えられていたので、女性の薄毛は女性男性型脱毛症(female AGA:FAGA)と呼ばれていました。

ところが、前述のようにプロペシアなどの男性型脱毛症の治療薬が無効であったので、女性の薄毛は女性型脱毛症(female pattern hair loss: FPHL)という呼称に変わりました。

 

女性型脱毛症の治療薬は、まだない

結局、女性型脱毛症に対しては効果的な薬がないまま、脱毛症治療を専門にするクリニックなどでは、ミノキシジルという薬が使われています。

これは、本来は高血圧の治療に使われる降圧剤で、高血圧の治療中に全身に毛が増えてくる多毛症がみられたため、その後に、脱毛症治療に使われています。しかし、本来この薬は降圧剤ですので、血圧低下、むくみ、また顔の産毛が異常に増えるなどの副作用を引き起こし、肝心の薄毛は十分には改善しません。

 

カプサイシンとイソフラボンで、女性型脱毛症には一定の効果

カプサイシンとイソフラボンを中心に、さらにIGF-1を増やす作用をもった食品成分を加えたサプリメントを、56名の女性型脱毛症に摂取してもらうと、その3カ月後には26名に改善効果が認められました(46.4%)。

このように、カプサイシンとイソフラボンは、女性型脱毛症にある程度の効果を表します。しかし残念ながら、後述するように男性型脱毛症や円形脱毛症の改善率には及びません。

 

男性型脱毛症に比べて女性型脱毛症は治療が困難

男性型脱毛症の治療には、プロペシアなど脱毛ホルモンができるのを抑える薬が、そして円形脱毛症には毛根を傷害する活性化リンパ球を抑えるセファランチンという薬があります。

これらの薬と、カプサイシンとイソフラボンを中心としたサプリメントを併用すると、男性型脱毛症や円形脱毛症の改善率は、90%以上になります。

しかし、女性型脱毛症には併用する薬がなく、カプサイシンとイソフラボンを中心にしたサプリメントのみで治療するために、やや低い改善率になります。

 

女性型脱毛症の治療では、何か新たな方法で、さらにIGF-1を増やすことが必要

女性型脱毛症の成因は、IGF-1の低下が重要である可能性が示されています。したがって、女性型脱毛症で十分な治療効果を得るためには、カプサイシンとイソフラボンに加えて、何らかの新たな薬剤もしくはサプリメントで、さらにIGF-1を増やす方法を探すことが必要です。

キング・アガリクスもIGF-1を増やすので、カプサイシンとイソフラボンと一緒に摂取すれば、女性型脱毛症のさらなる改善が期待できるかもしれません。

岡嶋 研二

育毛ドクター

名古屋Kクリニック院長。 IGF-1育毛理論の第一人者。

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