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2018年08月09日

エイジングケア

長寿のカギ「テロメア」を伸ばす食事

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前回に引き続き「テロメア」についてお話させて頂きます。

テロメアは私たちの細胞の染色体の端にあり、その短縮は老いの元凶とされてきました。しかし「食事」「睡眠」「運動」「心理的ストレス」がテロメアの長短に関係するということがわかってきました。

今回はそのうち「食事など体に入れるもの」に焦点を当てて述べたいと思います。

 

過剰な活性酸素でテロメアが縮む

私たちは空気中の酸素を吸って生きていますが、体内に取り込んだ酸素の一部は、化学変化を起こして「活性酸素」になります。過剰な活性酸素は細胞と結びつくと体を酸化(サビ)させます。しかし、体内には酸化を防御するシステムもあるため、適度な活性酸素なら酸化はそれほど進みません。

しかし、喫煙や暴飲・暴食、食品添加物、一部の食品は、活性酸素を過剰に発生させてしまいます。そしてその活性酸素がテロメアを攻撃してしまうと、テロメアは急激に短縮し、細胞老化へと進み、老いの元凶となります。

 

テロメアの短縮を防げる食事

それでは具体的にどのような食生活を送れば、テロメアの短縮を防げるのでしょうか?まずは、活性酸素による「酸化」に対し、それを打ち消す(酸化に抵抗する)抗酸化作用の高い食品を摂ることが重要です。

例えば、①リコピンを含むトマト。②アントシアニンが豊富なぶどう、ベリー類。③β-カロテンを含む人参、かぼちゃ。④スルフォラファン、インドールを含むブロッコリー、ケール。⑤硫化アリルを含むにんにく、ねぎ、玉ねぎ。⑥β-グルカンを含むキノコ。いわゆる植物性化学物質=ファイトケミカルを摂ることがお勧めです。

また、テロメアに良い食品として、下記のようなものがあります。①全粒穀物。②ナッツ。③オメガ3脂肪酸を含むサンマ、サバなどの魚。④亜麻仁油、えごま油。⑤コーヒー、緑茶などの飲み物。『テロメア・エフェクト』の著者の一人であるエペル博士は「海藻」も勧めています。

逆に、テロメアに対して毒性があるものは取り除くと良いでしょう。ソーセージ、ハム、コーンビーフなどの加工肉、赤肉、炭酸飲料、精製食品など。

私自身の習慣を少しご紹介しましょう。私は、出張時などに多いホテルのバイキング料理では、抗酸化作用のあるファイトケミカルを含む野菜や果物を多品種、お皿がカラフルになるように選びます。勿論、海藻も。これは日頃不足しがちな野菜(食物繊維)の解消にも繫がります。加工肉は当然避けます。

日常生活でも、栄養素バランスを考え食事には注意を払います。高カロリー高脂肪食でもあるジャンクフードは一切食べません。今のところ体力や体調は、同年代の人たちに比べ至極快調です。

私たちの体は、食べたものからできています。5年後、10年後に笑っていられるように、食事を大切にしましょう。

参考文献:『細胞から若返る!テロメア・エフェクト』NHK出版  E・ブラックバーン、E・エベル 共著、森内薫 訳

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR・サプリメントアドバイザー/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行い、研究結果をもとにサンプライズ製品の開発を行う。

趣味は山登りとマラソン。71歳になるが、自称年齢は53歳。2017年6月、デナリ(マッキンリー)に登頂成功。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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