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2018年07月12日

エイジングケア

「老いの元凶・テロメア」。老化の速度は変えられる!

私たちの寿命を司る、「テロメア」をご存知でしょうか?「テロメア」とは、細胞の染色体の先端部分のことを言います。加齢とともにその長さが短くなることがわかっており、“老いの元凶”とされてきました。しかし、最新科学では、生活習慣しだいで保持し、伸ばすことまで出来るといいます。老化の速度は変えられる!ということです。

今回は、そのテロメアを伸ばすアンチエイジング法について述べたいと思います。

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▲テロメアは染色体の先端にある

 

テロメアが短くなると老いる

テロメアについて、もう少し詳しく触れましょう。私たちの体を形づくる細胞は、私たちが生きているかぎり分裂し、若い細胞に入れ替わり続けます。この細胞分裂に深く関わっているのが、細胞の染色体の端にあるテロメアです。

テロメアは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていきます。とても短くなると「細胞老化」と呼ばれる状態になり、新たな細胞ができなくなります。そのため、テロメアの短縮は老いの元凶とされ、テロメアは命の回数券とも呼ばれています。

テロメアの短縮を早めるのは、喫煙などの悪い生活習慣とされていますが、アメリカの最新研究では、心理的ストレスも原因であることがわかっています。これは、家族を介護中の女性を調査した際、介護の年数が長いほど、テロメアが短くなっていたという結果によるものです。

また、40代以降のがんの主な原因は、テロメアの短縮にあると考えられています。

 

老いの元凶・テロメア」の伸ばし方

歳を重ね細胞分裂する度に、テロメアが短くなる一方だとされていた常識を覆したのが、ブラックバーン博士たちが発見した酵素「テロメラーゼ」です。

テロメラーゼは、テロメアが短くなるのを遅らせたり、さらに伸ばしたりする働きがあります。この発見で、ブラックバーン博士らはノーベル賞を受賞しました。

そのテロメラーゼを活性化させる具体的方法が、下記4点です。①運動:筋トレよりもウォーキングやジョギングなど、軽めの有酸素運動を週3回程度続けるのが有効。②食事:野菜に加えて、魚や海藻を食べると良い(和食もお勧め)。③睡眠:1日7時間以上。④リラックス:花、ろうそく、夕日などを見つめながら、4秒かけて息を吸い、4秒かけて吐きだす呼吸法(1日10分から始めると良い)等。また、友人やパートナーとの良好な関係を保つことも大切です。

私たちは日々の行動を見直すことで、細胞を若返らせ、健康寿命を伸ばすという大きな効果をあげることが出来るのです。

参考文献:『細胞から若返る!テロメア・エフェクト』 NHK出版  E・ブラックバーン、E・エベル 共著、森内薫 訳

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR・サプリメントアドバイザー/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行い、研究結果をもとにサンプライズ製品の開発を行う。

趣味は山登りとマラソン。71歳になるが、自称年齢は53歳。2017年6月、デナリ(マッキンリー)に登頂成功。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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