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2015年08月28日

エイジングケア

小麦を断って、生まれ変わったジョコビッチ

150828ジョコビッチ
今回は男子プロテニス選手・世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手の話です。

彼はセルビア・ベオグラードの出身。セルビアは当時、全くと言ってよいほどテニスの人気が無い国でした。そのような環境でしたが4歳のときに、両親に虹色の小型ラケットとボールを買ってもらい、毎日何時間もレストランの壁にボールを打ち続けて遊んでいたといいます。その後、両親のやっていたピザ屋のリビングルームで、ピート・サンプラスがウィンブルドンで優勝する姿を見て、「いつの日か、あそこで優勝するのはボクだ!」と、心に誓ったといいます。それまで、テニスなど一度もしたことがなかったのに・・。

 

6歳の頃、偶然にも両親のお店の近くに政府がテニスアカデミーの設立を決めます。テニスのクラスが始まると、ジョコビッチはフェンスにかぶりつき、生徒たちのプレーを何時間も何日間も見つめていたそうです。そんな時、一人の女性から声がかかります。「明日、ここにいらっしゃい!」と・・・。その女性はアカデミーの講師で、モニカ・セレシュの指導に当たったこともあるエレナ・ゲンチッチさんです。その数日後、エレナはジョコビッチを「ゴールデン・チャイルド」と呼び、両親に対して「この子は今までに私が見た中でも、モニカ・セレシュ以来の才能をもっています」と語り、テニスの練習以外にも、知的成長を促すためにクラシック音楽を聴かせ、詩も読ませたといいます。

 

ところが11歳の頃、コソボ戦が始まり、NATO軍の激しい空爆を受けるようになってしまいます。平和な日本人の感覚であれば、テニスの練習どころではない、と思うところですが、ジョコビッチは違います。昨日攻撃を受けた場所は、今日も続けて攻撃されることはないだろうと考え、ネットなしの環境や、破壊されたコンクリートの上で、エレナとプレーしたそうです。

 

やがて試合に出るようになります。テニスは過酷な競技で3~4時間(サッカーは90分)続くこともあり、しかも一日おきに次の試合があります。若い頃は試合中に何度も発作に悩まされ、実力を発揮できない時期が長く続きました。

 

2008年1月、ついに全豪オープンで初のグランドスラム優勝を果たします。しかし、翌年の全豪オープンは発作で棄権、2010年は準々決勝でリードをしながらも、途中、息ができない、吐き気が襲う、トイレに駆け込む・・・。そして、最後は惨めなダブルフォルトで自滅し、敗北します。

 

しかし、このプロ生活最低の瞬間が、幸運に変わる出来事が起こります。

1万4000km離れたキプロスでその試合をテレビで見ていた、セルビア出身の栄養学者、セトジェヴィッチ博士。彼が、「ジョコビッチの発作の原因は喘息ではない!食べ物が問題だ!」と指摘します。

パンに含まれる小麦を体が拒否する「グルテン不耐症*」が原因だったのです。

 

原因が判ると、パンとパスタに別れを告げ、食事を一変させます。

それから18か月後の2011年7月。体重は約5キロ落ち、動きも早く、柔軟性も増し、疲れも感じない。息切れも、アレルギー症状も喘息も出ない。かつてない、強靭な体を手に入れました。

その結果、ついに生涯の目標であったウィンブルドン優勝と世界ランキング1位を獲得。その2011年はタイトルを10個獲得し、グランドスラム3勝、43連勝しています。

そのために変えたのはただ一つ、食事だけです。

 

過去のコラム『小麦は食べるな!・・』2014-01-07(アメブロ)『パンと乳ガン』2012-05-09(アメブロ) で小麦の害を紹介しました。

セトジェヴィッチ博士の指摘通り、ジョコビッチ選手はまさに小麦の害に当たっていたのです。では、その害の原因はどこにあるのでしょうか?

 

それは、遺伝子組み換えに問題がありそうです。

遺伝子操作前の小麦・・・すべての小麦の祖先にあたる「ヒトツブコムギ」はもっとも単純な情報をもち、染色体は14本でした。それが、現代のコムギ類は、収穫量を増やすためや、病気や日照り、高温に耐えられるように品種改良され、何百あるいは何千もの大幅な遺伝子の組み換えがなされているのです。

 

『小麦は食べるな!』の著者であるウイリアム・デイビス博士によると、これほどの遺伝子構造が大幅に変えられたにもかかわらず、「小麦は人間が食べても安全なはずだ」として、動物実験も人体への安全確認も行われていないと言います。

 

『乳がん患者の8割は朝、パンを食べている』という書籍もあります。著者である幕内秀夫先生は、がん治療で有名な病院の管理栄養士さんです。数千人のがん患者さんの食事調査により、朝はパン、昼はスパゲッテイに代表される洋食、という食生活の方に、乳がんが突出して多く、「若い世代に増えている」、「大都市圏に多い」と指摘します。 若い世代や、大都市圏に住む人ほど食生活が欧米化しており、パンを食べる傾向があるのです。

この原因として、一つには、パンの原料である小麦は輸入されたものが多く、遺伝子組み換えがされていること。二つ目に、カビの発生を防ぐため防腐剤を沢山使用しているからではないかと指摘しています。

 

何を食べるかで、人生が変わります。

もう一度皆さんもご自分の食生活を見直してみてください。

具体的にはどうしたら良いか。答えは「和食」です。「和食」には四季おりおりの料理、新鮮な山や海の幸が豊富にあります。ユネスコの無形文化遺産にも登録され、「和食」は世界から注目を浴びています。

ところが日本では、食が欧米化しています。それによって体型は肥満化し、生活習慣病からくる大腸がん、心臓病などが増えているのは、残念なことです。

 

ところでジョコビッチ選手の食生活が具体的にどう変わったか?どんなメニューを取り入れたのか?などについては、ぜひ、本人の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事』をお読み下さい。私たちの日頃の生活やアンチエイジングにも大変参考になります。

長年、「グルテン不耐症」で苦しんだせいか、彼は、身体のしくみや栄養学、食に対してビックリするほどの深い知識を持っています。

 

幼少期からの高い目標を持ち続け、誰も経験したことのない逆境下での少年期を過ごし、プロになり体調に苦しんだ末の正しい食生活の実践、そして、規則正しく節制された生活・・・。これらから醸し出される不屈の精神は、まだまだジョコビッチ時代隆盛の継続が感じられます。錦織選手の躍進もおおいに期待されますが・・・。

150828ジョコビッチの強さ
 

グルテン不耐症*:まずグルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などに水分を加えるとできるタンパク質で、グルテン不耐症は、そのグルテンを消化できないことが原因で起こる病気です。なお、セリアック病は、グルテンを摂取すると、小腸が敵が侵入して来たと勘違いし、自らの小腸を傷つけてしまう自己免疫疾患です。グルテン不耐症とは区別されます。

 

参考文献:

『ジョコビッチの生まれ変わる食事』

三五館 ノバク・ジョコビッチ[著]/タカ大丸[訳]

『小麦は食べるな!』

日本文芸社 Dr.ウイリアム・デイビス[著]/白澤卓二[訳]

『乳がん患者の8割は朝、パンを食べている』

株式会社G.B. 幕内秀夫著

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※番外編コラム筆者紹介
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サンプライズ株式会社
代表取締役社長:元井益郎
薬剤師、NR(栄養情報担当者)、日本抗加齢医学会認定指導士。
1946年生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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