これまで述べてきた、知覚神経の刺激でインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす育毛法ですが、次の3つの特徴があります。

 

1.育毛効果が出るのが早い!

体外で起こった環境の変化は、いくつかの機序で体内に伝達されます。この伝達の機序には、おもに血液中に放出された物質によるもの(ホルモンなど)と神経系のネットワークを介したものの2つがあります。もちろん後者の情報伝達速度は、前者に比べて著しく速くなります。

カプサイシンやイソフラボン、ベータグルカンなどを摂取すると、これらが胃腸の知覚神経を刺激し、その刺激情報は、速やかに脳を経て頭皮を含む全身に伝達されます。そして各組織でIGF-1を増やし、育毛効果や様々な健康効果を発現させます。このため、脱毛物質を作らせないプロペシアなどの薬剤による育毛効果に比べ、知覚神経を刺激する育毛効果は、より速やかに発現します。

 

.どのようなタイプの脱毛症にも効果がある!

IGF-1には、育毛効果の他に、髪の毛の質を良くする作用もあります。また、円形脱毛症の原因となる自己免疫を抑える作用もあるので、IGF-1を増やす治療では、男性型脱毛症や女性型脱毛症、円形脱毛症など、脱毛症のすべてのタイプに治療効果が期待できます。

 

.これまで治らなかった脱毛症に効果がある!

これまでの脱毛症治療では、男性型脱毛症に対しては、プロペシアやミノキシジル、さらに効果が期待できないパ● ● ● ● ●というサプリメントなどが使用されていました。これらの薬剤などを使った治療では、せいぜい進行を止める程度の効果しか期待できません。

女性型脱毛症では、プロペシア以外の前述の薬剤やサプリメントが使用されます。ミノキシジルは、心血管系異常や頭髪以外の多毛症などの副作用を発現させ、また、その育毛効果は不十分です。円形脱毛症に至っては、現在の皮膚科治療ですと、多発型以上の症状には無効です(単発性は自然治癒)。

前述のごとくIGF-1は、育毛効果の他、円形脱毛症にも効果があるので、これまでの治療で効果がなかった、すべての脱毛症にも効果が期待できます。今回は、速やかに効果が出た例をご紹介します。

 

症例1.30代女性円形脱毛症治療前に、すでに効果が!

この方は、ザイザルというかゆみ止めを飲んで円形脱毛症が悪化し、ほぼすべての毛が抜けて全頭脱毛になりました。皮膚科治療が無効だったため、名古屋Kクリニックへ来院されました。

IGF-1を増やすサプリメントなどでの治療を開始する前に、すでに産毛が生えていましたので、最速で効果が表れたことになります。この方は来院される前に、拙著『薬害脱毛』を読まれて、毎日、味噌汁(イソフラボン)に唐辛子(カプサイシン)をスプーン1杯入れて、ほぼ1ヵ月飲んだそうです。そうすると、毛穴もなかったところに産毛が生えてきたそうです(写真1)。

今後はIGF-1を増やすサプリメントとセファランチンという漢方薬のような薬を大量に使用し、治療を行う予定ですが、治るのも速いでしょう。

▼写真1:30代女性/全頭脱毛(円形脱毛症)。治療前。

 

症例2.40代女性/円形脱毛症;治療14日目で、一部は完治!

この方は皮膚科で、皮膚のアレルギーに対しエピナスチンという脱毛するかゆみ止めを処方され、円形脱毛症を起こしました。かなり重症な多発型円形脱毛症でしたが、IGF-1を増やすサプリメントと大量のセファランチンを2週間服用すると、後頭部の円形脱毛症が早くも治癒しました(写真2)。

▼写真2:40代女性/多発型円形脱毛症。左から治療前、治療2週間後。

 

症例3.60代女性/女性型脱毛症;治療30日で、効果確認!

この女性は、和歌山県のある町から、自動車で5時間かけて来院される患者さんです。長年薄毛に悩まれており、色々なシャンプーや多くの市販育毛剤を試されましたが、効果なく、薄毛を改善する方法を探しておられました。

拙著『IGF-1と血流を増やせば、髪はみるみる生えてくる』を読まれて名古屋Kクリニックを知り、IGF-1育毛を試してみたくなり来院されました。

シャンプーを止め、お湯シャンにしてもらい、IGF-1を増やすサプリメントと育毛水(色々な処理をして作成したへちま水が原料)、さらにカプサイシンなどが配合された外用ジェルを使用してもらうと、治療1ヵ月後には、後頭部から頭頂部にかけての地肌の露出が明らかに減りました(写真3)。

長年なかなか改善しなかった薄毛が、たった1ヵ月で改善したので、何か信じられないという様子でした。

▼写真3:60代女性/女性型脱毛症。左から治療前、治療25日後。

 

効果が表れるのも速いが、刺激を止めると、効果が減弱するのも速い!

知覚神経を刺激する育毛法は、効果が表れるのも速いですが、カプサイシンなどの刺激作用の強いサプリメントの服用量が減ると、効果がすぐに減弱もします。

写真4は、長い年月、IGF-1を増やすサプリメントで、女性型脱毛症を治療されていた60代女性の頭部です。カプサイシンを1日4錠から1日2錠に減らすと、3ヵ月後には頭頂部の薄毛が目立ってきました。再び1日4錠に増やすと、またもとのように改善してきました。

▼写真4:60代女性/女性型脱毛症。左からカプサイシン1日4錠で治療中、1日2錠に減らして3ヵ月後、1日4錠に増やして3ヵ月後。

このように、男性型脱毛症や女性型脱毛症では、ある程度まで改善しないうちに刺激を弱めると、効果が小さくなり悪化もしますが、円形脱毛症に関しては、ほぼ治癒すると治療を中止しても再発や悪化はありません。IGF-1を増やすサプリメントで薄毛が改善した場合、サプリメントの減量は慎重に行う必要があります。