睡眠IGF-1の関係は?

育毛物質であるIGF-1は、睡眠と深く関連しています。IGF-1を先天的に作れない患者では、薄毛以外にも、例外なく睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群が認められます。この事実は、IGF-1が、育毛以外に深い眠りにも必要であることを示しています。逆に十分な睡眠をとると、成長ホルモンの分泌が高まり、IGF-1はさらに増えます。

すなわち、まずIGF-1を増やしてよく眠ることができれば、成長ホルモンの分泌が増え、さらにIGF-1が増えることになります。結局、深い眠りはIGF-1を増やし、そして髪の毛を綺麗にして増やすことになります。

写真1は、男性型脱毛症治療中の40代男性頭部です。順調に頭頂部の薄毛は改善しつつありましたが(睡眠不足前の写真)、仕事が忙しくなり、睡眠時間が3〜4時間になる日が1ヶ月間続いて、頭頂部の薄毛が悪化していることがわかります。では、どうすればIGF-1を増やして、よく眠れるようになるのでしょうか?

▼写真1:40代男性/男性型脱毛症。左から睡眠不足になる2ヵ月前、睡眠不足になる1ヵ月前、睡眠不足1ヵ月後。

 

1.自律神経のリズムを正す生活習慣を送る

自律神経は、昼間は交感神経優位に、夜間は副交感神経優位になるのが正しいリズムです。IGF-1を増やす神経は副交感神経なので、その活性を高めることと、自律神経のリズムを整えると、夜にIGF-1が増えてよく眠れるようになります。

朝は早起きして太陽の光を浴び、きちんと朝食を摂って、体を目覚めさせましょう。特に日光浴は重要で、太陽光の中の紫外線は、それ自体がIGF-1を増やす働きがあり、さらに体内のビタミンDを活性化する作用も持っています。活性型ビタミンDには、IGF-1を増やす作用があるので、適度の日光浴は、IGF-1を増やす上で二重の効果を持っています。紫外線の強い春~夏は1日30分程度、紫外線の弱くなる秋~冬はその7~8倍の時間、日光浴をすることが必要です。

また紫外線はガラスで遮断されることもあるので、紫外線を家の中に入れるためには、昼間は窓を開けておく工夫も必要です。シミやそばかすの原因になるという理由だけで、紫外線に対する過剰な恐怖心を植え付けるコマーシャルトークには、惑わされないようにしましょう。よく見かける、紫外線に対して頭からつま先まで完全武装をしたような女性は、睡眠のみならず健康も害しかねません。

 

IGF-1を増やす食事やサプリメントは夕食時

これまでにIGF-1を増やす食材を紹介してきましたが、それらの食材は、自然のリズムでIGF-1が増える夜間に摂るほうが効果的です。もちろん各食事毎にこのような食材を摂ることには意味がありますが、夕食時には必ず摂ることが重要です。

IGF-1を増やすカプサイシン、イソフラボン、そしてアガリクスなどのサプリメントについても同じです。これまでサプリメントは夜飲む方が効果的と言われていた理由は、健康効果が見られるサプリメントのほとんどがIGF-1を増やす作用を持っているので、夜に飲んだほうがIGF-1を増やしやすいからなのです。

 

3.毎日、夜は入浴して体を温める

夜になると、体の深部体温はだんだん下がっていきます。これは昼間に使った脳を休ませるために、その温度を下げていくという体のリズムによるものです。体の熱を放散するために末梢の血管が開いてきて、手足が暖かくなります。そして深部体温の低下と共に眠気が出てきます。頭皮を含めて末梢の組織が温まってくると、知覚神経は刺激されやすくなるので、IGF-1が作られやすくなります。

入浴して深部体温を上げると、その分、末梢で放散される熱量も増えるので、IGF-1産生は高くなります。シャワーだけではなく、汗がにじむくらいまでゆっくりと浴槽につかりましょう。体を温めることでIGF-1も作られやすくなりますが、さらにお風呂を上がってからも熱放散が増えてIGF-1が増え続け、徐々に眠気が出てきて、よく眠れます。

 

.青色の光を浴びる

目に見える光の中でも、青色の光は特別な作用を持っています。それは生命が海の中で誕生して、海中の青い光で守られ、育まれてきたからです。

結論から言いますと、青色光は、皮膚の知覚神経の刺激を促進し、IGF-1を増やします。昔から、寝室のカーテンや壁の色を青色にしたり、青いパジャマを身に着けたりするとよく眠れるというのはこのためです。農作業に使用するモンペやジーンズの色が青いのは、青色で蛇が鎮静されて、噛みつかれることが少ないからと言われています。またイギリスや日本でも、街灯や駅の照明を青色光にすると、強盗や線路への飛び込み自殺が減ったことも報告されています。青色光の持つ、IGF-1を増やすことによる鎮静効果がこのメカニズムです。

青色のLEDなどで眼を閉じて顔を照らすと、よく眠れます。名古屋Kクリニックでは、就寝中に青色光で顔を照らす青色光照射機を販売していますが、寝つきに1時間30分かかっていた小さな男のお子さんが、この照射機を使って、10分足らずで寝付いたことなどが報告されています。

写真2は、青色光照射器を、毎晩就寝中に30日間使用した36歳女性の顔の変化です(顔写真を出すことに同意済み)。顔のたるみ、また肌のくすみも取れて、色が白くなっていることがわかります。これが青色光照射による肌のIGF-1増加結果です。

▼写真2:36歳女性。左から青色光照射前、照射4週間後。

 

5.睡眠を深くするサプリメントもある

IGF-1を増やすサプリメントは当然睡眠を深くします。アミノ酸の一つであるグリシンも、IGF-1を増やすことが私の研究でわかりました。現在、グリシンのサプリメントが睡眠を改善するという効能を示して販売されています。販売している会社は、このメカニズムを知らないかもしれません。

この様に、睡眠を深くするためにIGF-1が必要で、睡眠が深くなった結果さらにIGF-1が増え、髪の毛が綺麗になり、増えます。不眠症の方も、睡眠導入剤に頼らずにまず自律神経のリズムを整え、さらにIGF-1を増やす生活習慣やサプリメントをうまく活用して、心地よい眠りと綺麗な髪、そして健康を取り戻して下さい。