育毛物質インスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やすには、知覚神経を刺激すれば良いということを、これまでご紹介してきました。

カプサイシン、キングアガリクスなどの知覚神経を刺激する物質と、その刺激効果を高めるイソフラボンなどの摂取で、頭皮を含めた体中のIGF-1が増加します。

この刺激によるIGF-1増加で、髪にはまず、どのような変化が起こるのでしょうか?また、その効果が見られるまでの時間はどれくらいかかるのでしょうか?

 

まず髪の質が良くなり、そしてその量が増える

脱毛症の種類に関係なく、頭皮でIGF-1が増えると、まず髪の毛の質が良くなり、その後、髪の毛の量が増えて薄毛が改善します。

髪の毛の質は、知覚神経を刺激すると速やかによくなります。逆にいえば、刺激をなくすと、すぐに髪の毛の元気がなくなります。

今回は、IGF-1を増やすことで、どのように髪の毛の質や量が改善するか、また、それがどのくらいの時間で起こってくるかを、脱毛症の種類ごとに実例を示して解説します。

 

男性型脱毛症

私のクリニックでは、男性型脱毛症の場合、プロペシアなどの薬剤とカプサイシン、イソフラボンなどのサプリメントで治療します。

これらの薬とサプリメントの摂取により、1~2ヵ月後には、一部毛根の傷んだ毛が新しい毛に生え変わるため、時に抜け毛が増えることもあります。

しかし、同時に毛が太くなり、頭頂部や生え際において地肌の見える範囲が減ってきます。患者さんも、髪の毛のコシが良くなったとか、洗髪後の地肌の見え方が減ってきた、また、髪の毛の寝ぐせが付きやすくなったなど、毛が太くなったり、コシが出てきたことを自覚します。

そして次に、産毛が生えてきますが、それによる外見上の改善が見られるには、3~6ヵ月程度かかります。

写真1は、IGF-1を増やす治療2ヵ月で、地肌の露出が明らかに減少した男性型脱毛症の患者さんです。これは、毛が太くなったために発現した効果です。

▼写真1:40代男性/男性型脱毛症。左から治療前、2ヶ月後。

写真2は治療5ヵ月後ですが、明かに額の生え際の産毛が増えていることが分かります。

▼写真2:20代男性/男性型脱毛症。左から治療前、5ヶ月後。

 

女性型脱毛症

名古屋Kクリニックでは、女性型脱毛症の治療には、カプサイシン、イソフラボン、そしてタキシフォリン(シベリアカラマツの抽出物)というサプリメントを用いてIGF-1を増やし、治療しています。

女性型脱毛症の治療でも、男性型脱毛症の場合と同じく、治療1ヵ月で髪の毛の質が良くなり、毛を染めていても、毛の色がより黒くなりますし、毛も太くなります。

写真3は、ちまたの育毛クリニックに行き、ありふれたミノキシジルという薬を処方され、足にむくみがでたため、中止して当クリニックに来院された50代の女性です。

▼写真3:50代女性/女性型脱毛症。左から治療前、1ヶ月後。

治療1ヵ月で、見た目にも髪の毛の色が黒くなり、太くしっかりしてきたことが分かります。女性は美容院に行くので、毛が太くなって、コシが出てきたと、美容師の方からも言われることが多いようです。

写真4の女性は、治療後、毎月髪の毛が太くなり、地肌が隠れてきて、髪のツヤもよくなっています。写真5の女性の場合は、治療5ヵ月で、髪の毛のツヤやコシが外見から明らかによくなっていることがわかります。

▼写真4:50代女性/女性型脱毛症。左から治療前、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後。

▼写真5:34才女性/女性型脱毛症。左から治療前、5ヶ月後。

写真6の女性は、治療6ヵ月後には、これまで毛が生えていなかった部分に明らかに毛が生えて、地肌が隠れているのが分かります。

▼写真6:50代女性/女性型脱毛症。左から治療前、6ヶ月後。

 

刺激を止めると、もとに戻るのも速い

これまでのコラムでお伝えしてきたように、IGF-1を増やす上では、知覚神経の刺激が最も重要です。

効果が出るのは速いですが、イソフラボンなどを摂取していても、カプサイシンやアガリクスなどの刺激を与える成分の摂取を中止すると、せっかく太くなった毛も、速やかに細くなってしまいます。

今回ご紹介したように、知覚神経刺激によるIGF-1増加では、治療開始後1ヵ月~3ヵ月で髪の毛の質がよくなり始め、3ヵ月~6ヵ月で髪の毛の量が増え、薄毛が改善するケースが多く見られます。

逆に、治療をやめると、この逆の現象が起こります。薄毛が改善しても、知覚神経刺激を続けて、治療効果が失速しないようにしましょう。